Colorful Baguio

「バギオの色」と問われて真っ先に浮かぶのが、「サガダ織り」の綺麗なストライプである。

フィリピン・ルソン島北部山岳地帯に位置するサガダは、バギオからバスで6時間ほどの距離に位置する。人々が「ハイランド」と呼ぶこの高原地帯では、サガダ織りを使用したバッグや衣類が広く見かけられる。

パグリックマーケットに並ぶ、伝統的なサガダ・ストライプ

 

留学を経て日本に帰国後、1年7ヶ月ぶりに訪れたバギオは、サガダの鮮やかなストライプや、フィリピン各地から持ち込まれた果実などの色彩が溢れていた。

 

 

伝統工芸としてのサガダ織・バギオ織

土着の宗教の信仰が結びついたこの伝統工芸は、赤や緑をベースにし、地域ごとに異なった模様を織り込む形でその技術を継承している。ストライプの模様には小さなビースの飾りが施され、日常のあらゆるところで使われる、丈夫で綺麗なアイテムを作り出している。

 

伝統的な織り布で作られたバッグ。そのほかにも財布やポーチなど。

 

 

 

イスラムの銀と布

21時が近づくにつれ、バーハム・パークに沿う大通りには徐々に人だかりができ始める。

東南アジアでよく見かける、孵化しかけの卵を蒸した「バロット」や奇妙な串焼き屋台を抜けると、顔に布をかぶったイスラムの女性たちが増えてくる。彼女たちの多くが売るのはきめ細かくデザインされた銀細工や上品な模様の布であり、他のエリアとは異なる雰囲気を漂わせる。

イスラムの女性が売る銀細工。ピアスやネックレスなどのジュエリーが中心。

 

艶のある金色に深みを感じさせる臙脂や緑などを合わせた、上品な布。東アジアからインポートされた古着やフェイクアイテムとは異なり、丁寧な技術やこだわりが見える。

フィリピンではミンダナオ地域を中心にイスラムの文化が見られるが、ルソン島地域でも、マニラ王国時代に一部でイスラム教が信仰され、海洋国家との交流を通してイスラム文化に触れるなどして、その接点を増やしていった歴史がある。

スペイン南部の都市コルドバは、イスラム時代にその金銀細工を発展させたが、バギオ地域のそれも、イスラム系商人による影響が強いのだろう。

眺めるだけでうっとりしてしまう、イスラム商人の布。

 

サードプレイスとしてのパブリック・マーケット

現地の人々にとってスターバックスラテは高級な嗜好品であるし、ジョリビーは騒がしくて長居できない。果物から魚介類、コーヒー、トイレットペーパー、そして衣類まで、ありとあらゆるものが売られるパブリック・マーケットに人々が集まり、買い物をし、立ち話をして帰路に着く。ハイランダーたちの日常はものにあふれている。

 

 

バギオでの1週間と、そこで出会ったカラフルなものたちは、500pxにギャラリーとして公開しています。